『或る女』有島武郎
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今回は、有島武郎の『或る女』を取り上げます。
そういえば教科書の国語の授業で近代文学史を習うときに名前だけ聞いたことがあるような、なんて感じではありませんか?
そうです。今、別にブームが来ているわけでも何でもないのですが、なんとなく読んでみました。
『或る女』の主人公、葉子は、美貌と才気あふれ、個性を抑圧する社会で自由奔放に生きた女性です。
しかも、物語の初めから終わりまで、たった1年あまりです。多くの男性を虜にしながら、恋に破れるというドラマチックな展開を見せます。
物語は前編、後編とわかれており、前編は主に東京からアメリカへの船の旅、後編は帰国してからの生活、となっています。
壮絶な人生、とか、魔性の女、とかいろいろ評判はあるみたいですけど、内容についての評判はほかにお任せするとして、私が気になったのは、その文章です。
これが1世紀も前に書かれたのか?何よりその読みやすさにびっくりします。
解説で、加賀乙彦氏は、
「まるで現代に書かれたように新鮮な、きびきびした文体である。」「あまり長い文節はなく、論理がきちんと通っている。」
と評しています。
ぜひその文体をお試し下さい。
ちなみに映画化もされているみたいです。1954年に京マチコ主演の角川映画。こちらも機会があれば見てみたいです。
https://www.kadokawa-pictures.jp/official/41495/
それではまた!