クラシック小話「カストラート」と「カウンターテナー」
話のタネにひとつ。今回はクラシック音楽に関してです。
まったくクラシックには詳しくないんですけど、雑学として書き留めておきたいのでご紹介します。
カストラートってご存じですか?
8月14日21:00からNHK Eテレで「ららら♪クラシック『カウンターテナーの魅力~可能性無限大の歌声~』」が放送されました。そこで、わたしはカストラートの存在を初めて知りました。
中世の教会では、女性が歌うことが禁じられていました。
そこで、男性が高音の声のパートも歌ったのですが、
一番高いソプラノにあたるのがカストラートです。
なんと、変声期まえに「去勢」して、ボーイソプラノの声をできる限り維持しようというものです。
目次
その声は美しく野生的で、また官能的で、カストラートは絶大な人気を誇ったそうです。
近世になり、去勢が禁じられてからはカストラートは消滅し、
いまではカウンターテナーと呼ばれる男性歌手がその役割を担っております。
カウンターテナーは裏声を使い、男性としての体の肺活量を活かしつつ、透き通った声で、素晴らしい魅力をもっています。
調べてみると、カルロ・ブロスキという人は3オクターブの音域を持っていたといい、彼を主人公とした『カストラート』という映画も1994年に制作されています。
なぜカストラートは消滅してしまったのでしょうか?
カストラートになるとその栄光はまばゆく、自分の子もそうなって欲しいという親のエゴが生まれたり、貧困層には口減らし目的で去勢させるということもあったようです。
しかし当時の医療体制は未熟で、衛生状態も悪く、手術をした多くの男子が命を落としてしまいました。
また音楽的素養がない者もあり、無駄に虚勢されてしまった悲劇も多かったらしいです。
人道的見地からカストラートは禁止され、やがて消滅しました。
20世紀の初頭までカストラートは実在し、なんと史上最後のカストラートと言われるアレッサンドロ・モレスキ という人は音源も残っているそうです。
あのベートーベンも幼いころカストラートにされそうになったらしいです。
歌唱力もあったんですね。